Cobolerの実験場

書きたくなった文章を置きに来る場所

【アップデート有】イラレで絵を描いたら捗ったのでその時の話とか

枠線からはみ出しまくって大丈夫なのもイラレの強み

動機

 暦の上ではもう夏であることを、NHK俳句を見ていて知った今日このごろ。この文章を読んでいる皆様はいかがお過ごしだろうか。私はジョン・ロビンソンのベスト盤とか聞きながら、相変わらず90年代ブームに沸き立っている。

 今回は最近異常に絵を描きまくったので、その話をする。まず動機から話をはじめたいと思う。

 去年の大型連休は卓しながら映画見てダラダラ過ごしていたが、今年は規則正しく生活し手首をいたわりながら毎日絵を描いてた。湾岸ミッドナイトの。

 なぜ湾岸ミッドナイトなのか…?そういう話は今回はしない。まだ全部読み終えていないからだ。いや、あえて全部見ることをしていないともいえる。

 悪魔のZのせいで、7年ぶりに電書サイトに課金した。悪魔のZのせいでn年ぶりに〇〇したって話は、湾岸ミッドナイト作中の社会人たちによく起こることだが、似たような現象が自分にも起こっていてびっくりポンなんだよナ!!!

 面倒くさい話は省略するとして、自分がやらねば誰が描く!?と思ってファンアートを描き始めた3月のころ、気がついたことがあった。自分の線画がものすごく汚いことだ。

なぜイラレなのか

 前から思っていたが、ちゃんとした線画を描くためにはかなりの回数消して書き直す必要がある。

1997年1月5日とかいうタイムスタンプがついたビットマップ画像をGIFにしたもの

 これは私が97年にペイントで描いたポケモンの絵だが、線画が汚いっていうのはこういうことだ。発掘された他の絵と比べて明らかに線画が汚いので、時間切れで途中やめになっているのかもしれない。

 3月頃に描いた絵はこんな感じで、清書するのも気が引けるほど本当に汚かった。最初はどんな絵でも汚いもんだ。それは分かる。しかし、1枚の絵にたくさん人物を描かなければならないマンガの形式となると、線画をきれいにするためにはホンマに手首に負担がかかることが分かってきた。

 手首は大切だ。仕事にも差し障るかもしれない。中学生の頃にタイピング練習で初めて腱鞘炎になって以来、人生の節目節目でこの手首の痛みというやつに悩まされてきた。しかし、休んでいるわけにはいかない。それっくらいのパッションがみなぎっていたので、もうこのビッグウェーブに乗ってアイデアを全部絵にするしかない!そのためには、効率よく省エネルギーな作業をする必要に迫られたわけだ。

 手首サポーターを装着し、定期的にストレッチしてアイシングする等、大型連休中には毎日絵を描くためにできる限りのことをした。そして、連休に入る前に気がついた。ペンタブでイラレで描くことが、私にとって一番効率が良いのではないかと。

イラレのここがいい!

 イラレで絵を描いてみて、感動したポイントを思いついた順に書いていこうと思う。

バンドTとかを勝手に描きこむのがでーれー楽しい

消しゴムをかける必要がない

 まずはこれ。フォトショなら選択範囲を作って消去なり消しゴムツールを使うなり何なりするが、イラレなら書き直しは鉛筆ツールだけでできる。これが衝撃だった。

 なんせ、アクティブにした線の上から鉛筆ツールでなぞるだけで、パスの形が変わるのである。オープンパスだけではなく、クローズドパスもいける。何でも鉛筆ツールで書き直しができる。Deleteキーを押す手間すらかからずに、新しい線が生成されるともいえる。

 ありえねえ。こんな便利機能がついていたのに、今まで気がついていなかったのか…!?と感銘を受けるレベルだった。これは絵を描く行為において、ズルしてることになるのではないか。いや、天下のイラレ様の機能なので、きっとズルではない…。そういうことも考えるレベルだった。

 そもそもベクトル画像は、マウスだけでもポチポチしていけば描けてしまう。ポチポチしていけば描けるのは、省エネである。なんせ自分で手を動かして線を引かなくても良いのだから、緊張感が低い状態で絵を描ける。しかも消すときはDeleteキーを押すだけで良い。

 マウスを持つ時地味に手首に負担がかかるので、これをペンタブで作業してみたら、いい具合なことは数年前から知っていた。ペンタブのファンクションキーと合わせたらもう、イラレ以外あり得ねえな…?と思えるくらいにエネルギー効率が上がったのだ。これは感動した。描き直しをする度に発生する線画の消し忘れのゴミがほぼ無くなったのは、本当に画期的だ。筆圧とかどうでもええねん!と思っていた私にとっては、画期的な発見だった。

塗りブラシツールとかいう強キャラ

 塗りブラシツール。これはブラシツールで線画を描いたあとにパスのアウトライン化をする作業を省いてくれるだけじゃなくて、なんかパスの合体とかも勝手にやるやべーやつであった。

 イラレで絵を描く際に問題にだと思っていたのが、感覚的にざっくり塗れないことだった。影をつける作業なんかが、特に面倒だ。シャシャシャ〜って塗ってあとからちょっとずつ直す!ってことをしたいわけだが、ポチポチするしかないと思っていた頃の私に一番教えたい機能である。

 とにかく、フォトショのブラシみたいに塗って、クローズドパスが作れるっていうのが強い。テキトーに塗ったら、その後は鉛筆ツールで境界線をなぞって適当に形を整え、あとは選択ツールでポチポチする。こうすることで、すごい速さで色を塗れるわけだ。しかも感覚的に!

遠近グリッドでつよつよパースが描ける

 無用の長物として、消し方をググったことしか無かった遠近グリッド。しかし、使ってみたらまあハマった。遠近グリッド表示中は長方形ツールとかで描画すると、自動的に形が歪んでいくのである。こんなん楽しくないはずが無かった。ペンタブのファンクションキーに遠近グリッドのオンオフができるボタンを作ったら、もう本当に捗った。

最初に形になったWMのファンアートが、RGOのヤマ

 このように、遠近グリッドが楽しくて倉庫の絵を描いてしまうレベルだった。

 最近はもう下絵から全部イラレで作業しているが、人物しか描かないつもりでも、アイレベルを意識するためにとりあえず遠近グリッドの設定から始めるようになった。これは、メッチャええわ…。

ファイルサイズがあまりにも小さい

 そして、おまけ的なこの現象である。 

 イラレの勉強を初めて最初に面食らったのが、1つのレイヤーの中に大量のパスが生み出されることだった。レイヤーを展開したら、線の断片がたくさん表示されて、スクロールするのが大変だったりする。それはある。しかし、レイヤーの中のパスの洪水とは裏腹に、ベクトルだけのファイルサイズはあまりにも小さい。これもまた省エネポイントである。

 フォトショ形式の画像のファイルサイズは、でかい。数10MBとかになる。たくさん絵を描くと、ハードディスクの中でかさばる。そういうことはいつも考えていた。そうしたらこの、イラレ形式のファイルのサイズの小ささ…!下絵をフォトショで描いてイラレで清書していた時の絵で比べたら、下絵が4メガバイトで完成した絵が400キロバイトとか書かれているではないか。単位が違う…だと…?

最近イラレで描いた絵は全部1MB以下のサイズだった

 これには目を疑った。400KBなら、フロッピーディスクにも余裕で収まるではないか。イラレデータ的には、カンバスサイズはA3とかなのにだ。フォトショでA3に印刷できるサイズの絵を描いたら何MBになるのか、考えて気が遠くなった。ちなみにあのペイントで描いたビットマップ画像は、平均2MBくらいのサイズだった。

 ファイルサイズが小さければ、メモリにも負担がかかるおそれが少ない。知らんけど。そして、クラウド上に保存する際にもかさばらない。それは確実だ。

 画像を配置したりするとまあそれなりにファイルサイズは大きくなるが、ベクトルだけで話が済むのなら、落書きもイラレでやったほうが良いのではないか…。そうは思った。

後から手を入れるときに強い

 ベクトルは拡大縮小に強い。それはつまり、完成した後からでも修正しやすいってことである。顔面の中で目が占める割合とかを、後からでも修正しやすいのだ。頭と肩幅のサイズの調整なんかも、当然しやすい。

 湾岸ミッドナイト原作って肩幅にかなり無頓着な絵柄ですよねって話はある。しかしまあ、例えばセガールは一般人と比較して素で肩幅がクソデカいし、90年代前半に流行したスーツは肩幅やたら広く見えるし、そういうのを描きたい時とかは、役立ちますけえの!!!!と力強く思った。

 そして前にも書いたことだが、色の変更にも強い。ボタン1発で色をまとめて変更できるのが強い。今回は、スニーカーの色のパターンを色々試したい時なんかに役に立った。フォトショで描く時はこうはいかない。色を変えたら良くなった〜とか思っていても、選択範囲のキワがガサガサになっているのを見ると凹む。そういうことはイラレでは起こらない。

 後から変更しようと思えばいつでもできる!という、一種の心理的安全性が背中を押してくれる感じがする。セグメントをポチポチしてたら、そのうち思った通りのいい形になるよ!と応援してくれているような気になってしまう。昔のイラレの起動画面にいたボッティチェッリのビーナスの幻覚が、そう囁いている…?いや、昔のAcrobatの起動画面にいた、軽やかに跳躍するビジネスパーソンかもしれない。それくらい仕事が捗る!っていう実感がすごかった。

archive.org

 とはいえ、手短に描ける絵柄なのでそのうち飽きるんだろうという気はしている。絵柄このままでええの〜?ホンマに〜?と思っている。アニメ塗り以外やる気がしないのでこのままでええの!と念じているが、イラレで描ける絵にも限界があるからなー。

 ところであの小学生の頃にペイントで描いた絵を見つけたときの話だが、己の最近のイラストとテイストが変わっていないことに気が付いて、まあまあショックを受けた。これとか特にそう思える。

ビットマップ画像を発見した当時描いていた絵、「アフリカン・カンフー・ナチス」のファンアート

 そういうこともあって、あんな絵はもうやめだ!と思ってイラレで描き始めた。しかし、これはこれで悪くないんだよな。間の抜けた感じがして、嫌いじゃない。

近況報告

 そんなわけで、大型連休中はちょっとハッスルしすぎて頭がおかしくなった自覚はあるので、今後は地に足をつけるイメトレをしながらほどほどに作業したいと思った。イラレより付き合いが長いはずのフォトショ様を貶すような記事になってしまって、すみません。映画の記事も書いてるので、近日中に公開したいと思っています。

 で、肝心なファンアートのちゃんとした画像は、微調整という名のアレコレが済んだらまとめてpixivに投稿するので、気長に待ってやってください…。

投稿しました

 去る6月1日、ピクシブに投稿して参りました。マイペースに自分の妄想に向き合って作った、ほぼ自分用の2次創作でございます。ネタがまだあるので、次回作は体力と相談しながら作っていく所存です。

www.pixiv.net

BLセッションをするときは、必ずプレイヤーの地雷についてリサーチするんやで。せんかったら死ぬで。(ブログ主からのメッセージ)